本門仏立宗の妙恩寺(千葉県東金市)の住職だった深沢幸久被告(59)が、弟子の女性への準強制わいせつ罪に問われた裁判で、被告を懲役2年執行猶予4年の有罪とした千葉地裁八日市場支部の判決は、「絶対服従の関係にあって拒絶できないことを利用した」と述べた。宗教の師弟関係の中での性暴力は被害を訴えることさえ難しい。40代の被害者女性が思いを語ってくれた。

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判決後に取材に応じる被害女性=2024年12月11日午前11時54分、千葉県匝瑳市、杉江隼撮影

 「いまの法制度では限界がある。裁判官も寄り添ってくれたと思うが、被害者としては量刑は軽いと感じる」。判決を受けて、女性は正直な思いを口にした。

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 女性にとって被告は師僧として「心から尊敬していた」存在だった。被告に弟子として仕え、少しでも誰かの力になれるようになりたいと得度した。

 11月に行われた公判での意見陳述で、女性は「被告はそんな私の思いと、師僧という立場を利用して性暴力で私の心を殺し、さらに卑劣な言動で犯罪行為を隠蔽(いんぺい)しようとした」と訴えた。

■絶対服従の中での性暴力…

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