選手に声をかける千葉英和の藤岡麻菜美監督=2024年12月23日、東京・武蔵野の森総合スポーツプラザ、清水優志撮影

 (23日、バスケットボール全国高校選手権1回戦、千葉英和80―55松江商)

 「自慢のチームなんで、全国の人にも見てもらえるのがすごく楽しみです」

 千葉英和(4年ぶり4度目出場)の藤岡麻菜美監督(30)は、高校時代に届かなかった憧れの舞台で、そう声を弾ませた。

 2023年4月から指揮を執る藤岡監督は、千葉英和から筑波大を経てWリーグ・JX―ENEOS(現ENEOS)へ加入。ドライブからのシュートが持ち味のポイントガードとして日本代表でも活躍し、17年のアジアカップでは日本の3連覇に貢献した。

 華やかに見える経歴だが、重圧に苦しむ日々でもあったという。周囲からは、日本代表で長く司令塔を務めた吉田亜沙美の後継者としての期待を一身に浴びた。

 東京五輪に向け、「オリンピックに出場することが、使命のようになってしまった」。代表選考が嫌になり、「いっそケガをすれば良いと思っていたら、ケガをした」と明かす。故障とともに気持ちが折れ、20年に26歳の若さで現役を引退した。

 引退直後の同年6月から母校の千葉英和に戻り、アシスタント・コーチに。そこでふと気付かされたことがあった。

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 「練習がきついのに、目を輝…

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