記者会見するFRBのパウエル議長=2024年9月18日、ワシントン、榊原謙撮影

 米連邦準備制度理事会(FRB)が通常の2回分という異例の大幅利下げに踏み切った。長く激しい物価高(インフレ)にさらされ、若者や低所得者層を中心に、購買力にかげりが出始めている。FRBは、景気や雇用が悪くなる前に、「予防的」な利下げに打って出た。

 18日にあった米連邦公開市場委員会(FOMC)で、0.50%幅の大幅利下げを決めたパウエルFRB議長。「後れを取ることはないという我々の決意の表れと考えてほしい」。同日の記者会見で、そう狙いを語った。

 パウエル氏の念頭にあるのは、底堅さを保ってきた経済活動や雇用が、最近は減速しつつあるのではないかという懸念だ。

 8月2日に発表された7月の米雇用統計では、就業者数の伸び、失業率、賃金上昇率がそろって悪化。想定よりも米国経済が弱っていると受け止められ、株式市場はパニック売りに見舞われた。「FRBは景気対策に出遅れた」(アナリスト)という声が強まった。

 この点を問われたパウエル氏…

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