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湖面が凍る前に、壁崩落部分が湖面上に姿を現したタウシュベツ川橋梁。左から1番目の橋脚上部のV字形に崩れた箇所が昨年6月に壁面崩落が起きた部分。特にここのアーチ部分の氷によるダメージが心配されていた。冬季は凍った湖を歩いて橋の近くまで行くことが出来る=2025年1月2日午後0時29分、北海道上士幌町
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 ダム湖の水位変化で見え隠れするため「幻の橋」とも呼ばれる北海道上士幌町糠平湖の旧国鉄士幌線「タウシュベツ川橋梁(きょうりょう)」。今季の氷結した湖上への立ち入りが解禁された2日には、11連の優美なアーチ姿を見せていた。昨夏の大規模な壁面崩壊を受け、「春にはつながっていないかも」と心配していた関係者も、完全水没することなく越冬できそうになったため、胸をなで下ろしている。

 橋は例年、秋までに水没し、ダム湖の水が減る1月ごろ、凍結した湖面から、氷を突き破る形で姿を現す。この際、何トンもある氷の塊が橋の上にのしかかり橋に負担をかけていた。特に今季は、昨年6月の壁崩落で、橋中央はアーチ部分の薄いコンクリートでかろうじてつながっているだけになっていて、地元のNPO法人「ひがし大雪自然ガイドセンター」の河田充代表は「湖面の氷を突き破って出てくる時が、アーチが途切れるXデーと思っていた」。

 しかし、同センターによると、昨年11月18日に完全水没まであと50センチのところをピークに水位が減り始めたという。湖が凍結しはじめた頃には、橋上部の壁崩落箇所は水面から完全に出る形に。今月2日の解禁日は、昨年より2メートルほど水位が低く、橋は半分ほど姿をみせていた。

 河田代表は「橋にとって、マ…

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