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現場へ! 豚の「福祉」に向き合う(4)
千葉県北部の畑や林に囲まれた一画に2024年初夏、豚の「サンクチュアリ」が誕生した。畜産動物のアニマルウェルフェア(動物福祉)向上を訴えるNPO法人「アニマルライツセンター(ARC)」が、クラウドファンディングで約1千万円を集めるなどして設立した保護施設だ。
きっかけは山梨県内の養豚場にいた8頭の豚だった。本来なら生後7カ月程度で食肉として出荷されるはずの8頭は、ほとんど放置された状態で育ち、既に4歳になっていた。別の動物愛護団体から状況を聞き、24年3月に代表の岡田千尋さん(46)らが駆けつけると、異臭がただようなかに、顔も体も糞(ふん)に覆われた8頭がいた。エサは与えられていたが、給水設備は壊れていた。雨水や互いの尿で渇きを癒やしていたようだった。
経営者の男性は食肉処理場での処分を考えていた。だが岡田さんは保護をめざす。「『工場畜産』のなかで苦しんだ子たちを、なんとか救い出したかった」と言う。経営者を説得し、資金集めを始め、施設用地を探した。
「本来暮らすべき環境」にとまどう
もともと家具工房だった場所…