父子2代半世紀以上にわたるアサド政権が崩壊し、強権統治で知られた同政権の闇が次々に明るみに出るなか、反体制派による暫定政権は穏健な統治姿勢を打ち出している。米英など関係国も接触を始めており、国際社会がどのように関与を進めるかが焦点だ。
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米CNNは17日、シリア各地で、アサド政権下で処刑された人々が埋められた集団墓地が相次いで見つかっていると伝えた。国際行方不明者機関(ICMP)によると、シリアでは推計で約15万人以上が行方不明になっているという。国際人権団体ヒューマンライツウォッチ(HRW)は16日、暫定政権に対し、国際社会と協力した上で、将来的な加害者の責任追及に向けて集団墓地などの証拠保全を進めるよう求めた。
アサド政権を倒した反体制派の中核となった過激派組織「シャーム解放機構」(HTS)は国際テロ組織アルカイダ系のヌスラ戦線が前身で、10年以上にわたるシリア内戦下で勢力を拡大し、反体制派の有力組織に台頭した。16年にアルカイダとの絶縁を宣言したが、今も国連や米国、トルコなどからテロ組織として指定されている。過去には身代金目的の誘拐のほか、拷問や処刑といった行為も人権団体などから報告されている。
一方、近年は穏健化を目指す姿勢を示し、過激派色の払拭(ふっしょく)に努めてきた。暫定政権の発足後は、国内の少数派の保護を訴え、来年3月までの政権移行期間中に新憲法の制定を進めると表明した。
「タリバンのような統治しない」
HTS指導者のジャウラニ氏…