取材に応じる野田聖子・元少子化担当相=4月3日、東京・永田町

 2040年に向けて、日本社会は現役世代(15~64歳)が今より2割減り、高齢化はさらに進む「8がけ社会」を迎えます。数が少なくなる若者をめぐって各業界が人材獲得競争に動く中、自衛隊の人材確保は難しさを増していきます。少子化対策を「ライフワーク」と語り、自衛隊の状況にとりわけ危機感を抱いてきた野田聖子・元少子化担当相(自民党衆院議員)に、現状の課題や取り組みについて聞きました。

  • 関連)熾烈な若者争奪戦に出遅れる自衛隊 安保の脅威に重なる「人的有事」

 ――そもそも少子化対策で自衛隊に関心を持ったきっかけは。

 「少子化は国難だ」と指摘した本を2005年に出していて、自衛隊にも触れています。人口減少は安全保障に大きな影響があります。国民の生命や財産を守り、国の安全保障を担う組織のマンパワーが減っていくからです。

 1993年初当選の同期で、防衛庁の副長官を経験していた浜田靖一さんからいろいろと学びました。例えば戦闘機を飛ばすにしても、パイロットだけでなく整備などのスタッフを育てるには何年もかかる。少子化が進めばどんどん大変になるといった話でした。

 ――自衛隊の状況の深刻さをどう考えますか。

 総務相(2017~18年)…

共有
Exit mobile version