日本初の女性弁護士をモデルにしたNHK連続テレビ小説「虎に翼」の放映に合わせ、同じ時代に生きた1人の裁判官の生涯を伝えるパネル展が出身地の長野市内で開かれている。女性に選挙権がなく、戸主が強い権限をもっていた戦前において、女性の地位向上につながる判断を示したことなどを紹介している。

「大正の大岡」と呼ばれた

 裁判官は横田秀雄(1862~1938)。松代藩の中級藩士の子として生まれ、帝国大学法科大学を卒業後、地方裁判所や今の最高裁に当たる大審院の判事に登用された。いくつもの優れた判決を残したとされ、名奉行・大岡越前守にちなみ、「大正の大岡」との名声を得た。

 民法学の権威として、早稲田、慶応、法政などの私立校で物権法や債権法の講義もした。1924(大正13)年には明治大学長に就いた。国の司法権を束ねる大審院長も務めた。

 横田が裁判官を務めた明治・大正時代は、男尊女卑の風潮が色濃く、33(昭和8)年の弁護士法改正まで、女性が弁護士になる道は閉ざされていた。そんな中、横田は明治大の他の講師とともに、女性の法律専門家を育てる教育機関の必要性を唱え、大学の理事会を説得。29年の明治大専門部女子部開設に貢献した。

 ドラマ「虎に翼」に登場する…

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