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祖父新山虎之助さんの石碑の前に立つ新山良洋さん(右)、斎藤健太郎さん(左)。斎藤優乃心さん(中央)が後継ぎになる=2025年2月6日午後4時23分、秋田県大仙市、室矢英樹撮影
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連載「HANABI」第8部 未来へ紡いでいく(5)

 新山良洋(53)は、2人の「現代の名工」を師匠にもつ。

 他界した祖父虎之助、青木多門。良洋が修業した長野市の「紅屋青木煙火店」は、「大曲の花火」で歴代最多の優勝を誇る名門。虎之助も多門の父儀作に学んだ。

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 多門は、良洋にこう説いた。

 「どれだけ良い花火を作っても、決して満足するな。必ず欠点はある」

 良洋は、虎之助が築いた新山家の技術を「さらに伸ばす」と決意し、1995年に秋田県大仙市の実家に戻る。

 このころ、大曲の他業者は法人化を進め、工場に乾燥工室をしつらえ、雪国での通年操業を可能にしていった。

「もうダメかも」

 一方、新山家は、虎之助が個…

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