ひきこもり女子会で話す、林恭子・ひきこもりUX会議代表理事=2025年2月18日、大阪府東大阪市、黒田早織撮影(参加者にモザイクをかけています)

 「主婦が家にいるのは当たり前」「夫や子どもと関わっているならひきこもりとはいえない」――。国のひきこもりの統計で近年になって対象に含まれるようになった「専業主婦」。社会とのつながりを失い、生きづらさを抱えた主婦は一定数いるとみられるが、その立場ゆえに見えづらいのが実情だ。

 大阪府の女性(53)はこの10年、家族以外との会話はほとんどなく、大半の時間を家で過ごしているという。

ひきこもり

内閣府は、仕事をしておらず、半年以上自室や家からほとんど出ない人、さらに、趣味以外で外出しない人も含めて「広義のひきこもり」と定義。「主婦(夫)」や「家事手伝い」は除外していたが、前回2018年調査から、直近の半年間に家族以外との会話がほぼなかった場合を含めるようになった。最新の22年調査では、15~64歳でひきこもり状態にある人は全国に146万人と推計。このうち女性は40~64歳では52%と半数を超えた。

 仕事をしつつ2人目の息子を生んだ30代後半ごろから、ワンオペ育児で精神的に追い詰められるようになった。実家は遠方で頼れず、夫は出張で留守がち。近くに住む義母との関係も良いとはいえず、子育てのささいな悩みを誰にも相談できなかった。

「夫は外で稼いでくれている」という負い目

 40歳を過ぎて、抱え込んだ…

共有
Exit mobile version