3月に開いた会見で母親は、女性教諭が作った学級通信を掲げた。「しっかりと生徒と向き合い、仕事をしていた証し。宝物です」=2024年3月13日、仙台市青葉区

 同僚の前で問い詰める。不満をぶつける手紙を送る。宮城県立高校で59歳だった男性教諭からそんなパワハラを受けた女性教諭が2020年10月、自ら命を絶った。パワハラと死の因果関係の認定を受け、県教育委員会は男性を停職3カ月の懲戒処分にしたが、調査報告書をまだ公表していない。遺族は早期の公表を求めている。

 「勝手気ままに振る舞う娘に問題があったかのような書きぶりだった」。女性教諭が亡くなった5カ月後、県教委が初めてまとめた報告書原案を読んだ両親は、がくぜんとした。

 弔問に訪れた同僚の先生たちから聞いた話とは、あまりにかけ離れていた内容。父親は「おかしくなりそうだった。娘は死んでからもパワハラを受けた」と振り返る。

同僚教諭ら「こんな人ではない」 11枚の紙で指摘も

 不信感を募らせた両親は、同僚教諭ら当時の様子を知る学校関係者、数十人に原案を見てもらった。「こんな人ではなかった」といった反応が相次いだ。原案のおかしい部分を11枚の紙にまとめた人もいたという。

 内部の人間だけによる調査では真相解明は遠のきかねないと考え、弁護士に相談した両親は2カ月後、県教委に第三者委員会を設置した上で、再調査するよう要望した。

第三者委求めても…あくまで県教委「内部調査で」

 すると、当時の副教育長が両…

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