志を持って文化を発信する女性を励ます第28回「女性文化賞」に石川県珠洲市で宿を営む坂本菜の花さん(25)が選ばれ、10日発表された。15歳で沖縄で暮らして以降、思いや気づきを新聞連載や本、映画などを通じて発信してきたことが評価された。坂本さんは「自分のための賞ではなく、被災した能登へのエールだと思う」と語った。

 女性文化賞は、詩人で評論家の高良留美子さんが1997年に個人で創設し、私費で賞金を授与してきた。2017年に女性史研究者の米田佐代子さん(90)が運営を引き継いだ。

写真・図版
坂本菜の花さん=2024年4月5日、石川県珠洲市上戸町、金居達朗撮影

 坂本さんは珠洲市の出身で、小学5年で和歌山県の学校へ転校。中学の修学旅行で沖縄を訪れたことをきっかけに、15歳から3年間、沖縄のフリースクールに通った。その間、米軍属が日本人女性を暴行し、殺害した事件や、米軍ヘリが民間の牧草地に不時着・炎上する事故などがあった。米軍普天間飛行場(宜野湾市)の移設工事が進む名護市辺野古にも足を運び、地元の人と対話してきた。

 「沖縄の問題を、どうしたら自分ごとにできるか」。自問自答しながら、考えたことや気づいたことを「菜の花の沖縄日記」として記録してきた。

新聞連載、本の出版、映画化も

 「人ごとという理由でいろん…

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