損害賠償を求めて市を提訴し、遺族の代理人として記者会見する生越照幸弁護士(左)と佃祐世弁護士=2024年7月5日午後2時3分、中央区中央区、古畑航希撮影

 生徒は何年にもわたって、いじめを訴え続けていた。だが、その思いを学校側が十分に受け止めることはなかった。札幌市立中学1年の女子生徒が2021年10月に自死した問題で、生徒の両親は5日、札幌市に損害賠償を求め、提訴した。

 同日開かれた記者会見で、原告側の佃祐世弁護士は「いじめ被害を訴えてここまで放置する先生がいるのかと憤りを感じた」と話す。

 24年2月に公表された調査報告書によると、女子生徒は、小学5~6年時の「悩みやいじめに関するアンケート」で「仲間はずれや無視をされる」、「持ち物を隠されたり、いたずらされたりする」などのいじめを訴えた。「どれいあつかいされる」との記載もあった。

 だが、学級担任は生徒への聞き取り後に、いじめが解消されたと判断。母親にも共有しなかった。女子生徒が書いた道徳ノートには、担任にいじめの相談をしても対応してくれない旨の記述があった。

 生徒は小学校卒業間近、学校…

共有
Exit mobile version