米国の首都・ワシントンDCから北西に約50キロ。「ホワイト・オークス・ファーム」と名付けられたバージニア州リーズバーグの分譲住宅地には、白や灰色を基調にした三角屋根の家が並ぶ。
全体の広さは、阪神甲子園球場の6倍強に当たる約25万平方メートル。その名が示すように広大な農地を開発してつくられ、大きな池や公園、周辺には小中高校、商業施設も整備されている。手がけたのは大和ハウス工業(大阪市)の子会社スタンレーマーチン(同州)だ。
DC中心部まで車で1時間弱と、通勤しやすいのが売りの一つで、現在の価格は土地と建物合わせて最低でも100万ドル(約1億5千万円)以上。2021年から約160戸が売り出され、いまでは9割強が契約済みだ。
9月下旬の夕方、分譲地の見学に訪れていた40代男性は、妻の両親と暮らせる2世帯住宅を探しているという。「空間に無駄のないリビングが気に入った。この家には今の流行が詰まっているね」と笑顔だった。
子の成長など生活様式の変化とともに、買い替えるのが一般的な米国住宅市場。都市郊外にある庭付き戸建て住宅の購入は、いまも「アメリカンドリーム」の象徴とされる。
その夢に、日本の住宅メーカーが着目する。
対照的な日米の住宅市場
同社の買収を通じて大和ハウ…