坊っちゃん列車=2024年11月29日午後0時52分、松山市、宮沢崇志撮影

 【愛媛】赤字運行が続く観光列車「坊っちゃん列車」の支援について議論する「坊っちゃん列車を考える会」が28日、松山市役所で開かれた。市は年4千万~5千万円程度かかるメンテナンス費用の半額を公費で支援する方針を示した。運行する伊予鉄グループと協議を進め、上限額を定めた後、来年度当初予算案に盛り込む予定。

 「考える会」は市や伊予鉄グループ、松山観光コンベンション協会などで構成し、この日の会合が3回目。松山市民らを対象にしたアンケートの結果が示された。

 市民840人からの回答では76.1%が今後の運行継続を希望。赤字の負担について市がどうするべきかの問いには、「一部税金を使った負担が必要」の回答が31.1%で、「負担しなくてよい(企業努力で運行すべき)」の23.0%を上回った。「全額税金を使った負担が必要」の答えも2.1%あった。

 市はこれまで、2両ある坊っちゃん列車それぞれに対し、3年に1回の法定検査費用の3分の1、上限400万円を支援してきた。今回、伊予鉄側から示された年4千万~5千万円程度のメンテナンス費用にはこの法定検査費も含むが、方針が決まれば、公費支援は大幅に増えることになる。市は「アンケート結果を含めて総合的に判断し、坊っちゃん列車の運行には一定の公共性があり、公費で支援することには公益性がある」と説明した。

 小型SLを模した造形の坊っちゃん列車は、ディーゼル車と客車からなり、松山市中心部と道後温泉を結ぶ。運転士不足や赤字により、昨年11月に運休したが、今年3月に再開し、土日祝日限定で運行している。

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