A-stories 8がけ社会 消滅の先へ(記者コラム)
毎朝の通勤電車は会社員ですきまなく混み合い、週末になれば、繁華街には買い物や食事を楽しむ人であふれる東京。働き手が今の8割となる「8がけ社会」や、各地で進む「地方消滅」を、大都会で暮らす人たちに自分事として捉えてもらうのは難しい。実感が伴わないからで、私もその1人だ。
「静かなる有事」と形容される人口減少問題は、地方の衰退や消滅として顕在化している。では、東京で暮らす人々は、縮みゆくばかりの地方と無縁でいられるのか。そもそも、地方の消滅は問題なのか。
消滅する地方が見えづらい都会の読者と、何が問題かを共有し、考えてもらうきっかけを作ろうと、2人の専門家に話を聞いた。
「いまある地方の全てを維持…