4日、米ニューヨークの国連本部で記者会見した国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)のフィリップ・ラザリーニ事務局長=遠田寛生撮影
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 国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)のラザリーニ事務局長は10日、東エルサレムにあるUNRWA本部がイスラエルのデモ参加者によって放火されたと発表した。職員の安全が危機にさらされているとして、治安が回復するまで本部を閉鎖。ラザリーニ氏は「国連職員とその施設を常に保護するのは、(東エルサレムの)占領国としてのイスラエルの責任だ」と訴えている。

 発表によると、9日にUNRWA本部の敷地が放火され、建物内にいた職員らが消し止めたという。職員に被害はなかったが、屋外のエリアに被害があった。敷地内にはガソリンなどの燃料も保管されていた。本部への放火は1週間ほど前にもあったという。

 ラザリーニ氏によると、過去数カ月の間、本部周辺のデモ参加者が職員への嫌がらせを日常的に行い、銃で脅すこともあった。今週に入ってからは、職員や施設に石を投げるなど暴力的になっており、9日には本部の外で群衆が「国連を焼き払え」と叫んだという。

 ラザリーニ氏は「国連職員、施設、活動は国際法によって常に守られるべきだ。私は影響力を持つすべての人にこの攻撃を止め、(関わった)全ての者の責任を問うよう呼びかける」とした。

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