セブン&アイ・ホールディングスの創業家がセブンの買収計画を断念したことについて、計画への出資を検討した伊藤忠商事の岡藤正広会長CEO(最高経営責任者)は3日、「セブンを守ることで『日本の国益を守る』という大義があった。(計画断念は)残念だ」と語った。川崎市内であった社員寮の竣工(しゅんこう)式後に報道陣の質問に答えた。岡藤氏がセブンへの出資について公の場で言及したのは初めて。

 セブンは昨年、カナダのコンビニ大手アリマンタシォン・クシュタールから買収提案を受けた。これに対抗し、セブン創業家が自社買収を計画。岡藤氏は創業家から出資を要請され、伊藤忠側の交渉を主導してきた。だが計画はまとまらず、セブンが先月末、創業家から「正式提案に必要な資金調達のめどが立たなくなった」と連絡を受けたと発表した。

 岡藤会長は「クシュタールは…

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