政権与党の自民・公明両党が長年築き上げてきた、「事前審査」と呼ばれる政策決定プロセスがある。与党内の利害調整などが行われ、審査をパスした法案や予算案は、与党の「数の力」で成立させることができた。
与党が少数に転じたことで、事前審査のプロセスや国会審議に変化は生まれるだろうか。国民民主が政府の総合経済対策をめぐり、閣議決定前に与党と合意したことを受け、学習院大の野中尚人教授(比較政治論)に話を聞いた。
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衆院選の与党過半数割れの結果を見た時から、ほぼ間違いなく自民党は公明党に国民民主党を加えた3党での事前審査を維持させるだろうと私はみていた。約70年続いてきた制度で、自民党がほかのやり方を知らないからだ。その通りの展開になっている。
国民民主の対応には疑問がある。「103万円の壁」などで政策実現を求めることは理解できるが、その方向性が盛り込まれただけで、どうして経済対策全体に賛成するのだろうか。
「梅干し一つで弁当すべて認めるような話」
弁当に例えるならば、梅干し…