御嶽山(標高3067メートル)のふもと、長野県木曽町にビジターセンター「さとテラス三岳」が開館したのは2022年8月だった。死者・行方不明者が63人に上った14年の噴火災害の記憶を伝えるための施設だ。
今年の8月末、隣町の上松小校長の川上明宏さん(59)は5年生の児童らとこの施設で溶岩流の流れ方を調べる実験をした。
想定される溶岩流の範囲が記されたハザードマップの上に、御嶽山の形をした透明なゼリーを置く。その上から、溶岩流に見立てたハチミツや練乳を垂らす。粘りけのある「溶岩」の流れ方を視覚的、立体的に再現し、最後はゼリーごと味わった。
川上さんは「噴火でたくさんの方が亡くなった。そういうことがこの後、絶対ないように、先生たちは火山マイスターになった」と語った。
10年前の「苦い思い出」
苦い思い出がある。10年前…