春の大阪府大会で決勝に進んだ大阪学院大=シティ信金スタ

 (11日、春季近畿地区高校野球大会大阪府予選準決勝 大阪学院大3―2大商大)

 大阪の高校野球界に新風が吹いている。

 履正社、大阪桐蔭と「大阪2強」を破った大阪学院大が、30年ぶりに春季府大会の決勝進出を決めた。

 殊勲打を放ったのは「3番・遊撃手」の主将、今坂幸暉(ともき)(3年)だ。

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 五回、味方の適時打で追いつき、なお2死一塁。「一塁走者がいたので、まっすぐで入ってくる」という読み通り、初球の直球を振り抜いた。打球は右翼手の頭を越え、この日初安打が決勝の適時二塁打に。「しっかり1球で仕留められた」。沸き立つベンチに向かって、塁上から大きなガッツポーズで応じた。

 今坂は山口県出身。「日本一と言えるくらいの設備があり、不安なく野球できる環境だなっていう風に思って大阪学院大を選びました」と語る。

 大阪学院大は1996年の選抜大会で2勝したが、甲子園出場はその1回だけ。近年、学校は野球部の強化を掲げて、設備を充実させた。2022年には人工芝のグラウンドや、内野ノックと投球練習ができる広さの室内練習場ができた。ウェートトレーニング場にはトレーナーが常駐しており、最適な助言を受けることができるという。

 4回戦で、19年夏の全国王者・履正社に9―8でサヨナラ勝ちすると、準々決勝では、18年の春夏連覇など近年の高校野球界をリードする大阪桐蔭を九回に逆転して2-1で勝利。勢いそのまま、準決勝の接戦も制した。

 コーチら、スタッフ8人から指導を受ける。今坂は「スタッフさんがいなかったら活躍できていないし、こうやって決勝まで進んで来られていないので感謝したい。家を離れて自由に楽しく野球させてくれている親にも、しっかり感謝の気持ちを持ってやっています」。

 昨秋は府大会3回戦で敗退。それ以降、練習試合でも公式戦と同じ意識で戦ってきた。「練習試合と大会の温度差がなくできている。点を取られた後にすぐ取り返すところが、チームとしては良くなってきたところ」と胸を張る。

 「夏に日本一を取るつもりでベクトルを合わせている。まずは最後の1勝を全員でつかみ取りにいきたい」と今坂。この春、チームとして「大阪学院大の名前を、みんなに知ってもらおう」と誓った。

 優勝という結果で実現させるつもりだ。(室田賢)

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