八丁味噌の老舗「カクキュー」=2025年1月24日、愛知県岡崎市八丁町、国方萌乃撮影

 長年の「対立」に終止符が打たれた。愛知県岡崎市八丁町の老舗2社からなる「八丁味噌協同組合」(八丁組合)が、国が保護する地域ブランド「地理的表示保護制度」(GI制度)の生産者団体に追加された。24日に出したコメントで八丁組合は「江戸時代からの製法で伝統の味と文化を伝えていくことが我々の使命」と説明。追加登録を申請したという。

 老舗2社は「カクキュー」と「まるや八丁味噌」。八丁味噌をめぐっては2017年、県全体を生産地とする「愛知県味噌溜醬油(たまりしょうゆ)工業協同組合」(名古屋市)が「八丁味噌」でGI登録を受けた。だが、八丁組合は生産地を県全域とする登録内容などに反発し、登録の取り消しなどを求めていた。

 老舗2社が八丁味噌を名乗る場合、26年2月以降は「GI登録産品ではありません」などと明示する必要に迫られていた。

 八丁組合の担当者は「伝統製法で作られた我々のみそを『こだわり』として使ってくれている飲食店やおみやげ店もある。そういった方々に負担をかけずに『八丁味噌』と表記してもらうため、苦肉の策をとった」という。

 八丁組合の追加登録を受け、大村秀章知事は「県組合、八丁組合の双方にとって良い結果となり喜ばしい」、内田康宏・岡崎市長は「今後も発祥の地として八丁味噌の名称を使い続けられることになり安堵している」とコメントした。

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