米ワシントンの連邦議会議事堂で開かれた下院公聴会「コロンビア大学の反ユダヤ主義への対応」で証言するコロンビア大学のネマト・シャフィク学長=4月17日、ロイター

ミッシェル・ゴールドバーグ

 例外的と言えるほどに周到なコロンビア大学の学長、ネマト・シャフィク氏は、学内の反ユダヤ主義に関する連邦議会の公聴会で悲惨な姿をさらして職を追われたハーバード大学やペンシルベニア大学の前学長らと同じ轍(てつ)を踏むつもりはないようだ。

 彼女は水曜日、この同じ公聴会で証言しながら、コロンビア大学でのパレスチナ支持活動は頑迷な反ユダヤ主義から噴き出したものだとする共和党の言い分にあっさり同意し、さらに、彼女のリーダーシップのもとコロンビア大学がどのように学生を取り締まっているかを説明した。彼女は、15人の学生が停学になり、さらに6人が謹慎処分中だと話した。ハマスやヒズボラ、イスラム聖戦への支持を表明した客員研究員のモハメド・アブドゥについては「コロンビアで働くことは二度とない」と言い、他にも数人の学部教員について調査中だと語った。シオニスト(イスラエル国家建設運動の信奉者)に断固反対の立場をとるジョセフ・マサド教授についても彼女は、自分に判断が任されていたなら終身在職権が与えられることはなかったと語った。公聴会では、マサド教授がまだ学術審査委員長かどうかについて若干の混乱があったが、シャフィク氏は、もしそうだとしても解任すると約束した(コロンビア大学はその後、彼の委員長任期は今学期末に終わる予定であることを確認した)。

 シャフィク氏は懸命に迎合し、この4時間に及ぶ尋問をほぼ無傷で乗り切った。ダメージを被ったのは、コロンビア大学が保証する学問の自由だった。

 シャフィク氏は、コロンビア…

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