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原発事故の避難者から聞き取り調査をしている佐藤優さん=2024年11月24日午後4時36分、東京都新宿区男女共同参画推進センター、柳沼広幸撮影
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 東日本大震災による東京電力福島第一原発(福島県)の事故で、全国に避難した被災者らに研究の一環で話を聞いている学生がいる。仙台市出身で一橋大大学院1年の佐藤優さん(23)。地元・宮城県の東北電力女川原発の再稼働に今、何を思うのか。

 ――原発事故の避難者から話を聞くようになったきっかけは

 今年の春まで広島市立大学で原爆や平和について学びました。広島で被爆者に話を聞いたり、平和記念資料館で資料整理を手伝ったり。被爆者の体験をもとに被爆建物「旧陸軍被服支廠(ししょう)」を舞台にした紙芝居も作りました。

 大学2年の夏、原発事故に遭った福島を訪問する機会がありました。そこで暮らす被災者の言葉にショックを受けた。「あの人たちは福島を捨てて逃げた人だ」。県外に避難した人に向けた言葉だった。同じ避難者なのに……。原発の避難者にも初めて関心を持つようになりました。

 ――原発の避難者からどんな話を聞きましたか

 福島市から生後間もない子ど…

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