中間報告を受け取る人事院の川本裕子総裁(右)=2024年5月9日午後、人事院、神野勇人撮影

 なり手不足が指摘されている国家公務員の人事制度のあり方を巡り、有識者らでつくる「人事行政諮問会議」(座長=森田朗・東京大名誉教授)が中間報告をとりまとめ、9日、人事院の川本裕子総裁に手渡した。人材確保を巡る状況が「危機的」だとして、意欲的に働くための「行動規範」の明確化や、年功序列制からの脱却などを掲げている。

 同会議は昨年9月に初会合を開き、省庁や労働組合へのヒアリングなどを実施してきた。公務員制度に関する有識者会議が開かれたのは、公務員による汚職事件が問題となった1998年以来、25年ぶりとなる。

 中間報告では、国会対応など予見しにくい業務による「過労死ライン」を超える長時間労働の現状が課題とされた。キャリア形成や成長への意識が高い職員が増える中で、公務員としてあるべき姿を明確にする必要があると指摘。能力や実績に基づく評価の徹底や、業務効率化による勤務環境の改善なども求めている。有能な人材に対して、年齢に関わらない登用や「市場価値」にあった報酬も必要とした。

 人材確保にあえぐのは国家公…

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