北海道土産の定番「マルセイバターサンド」で知られる六花亭(北海道帯広市)が、今年10月、米国・カリフォルニア州に初めての海外店舗を出す。花柄の紙袋で広く知られているが、店舗は北海道のみ。道外には、かたくなに店を出していなかった。一気に「米国進出」した理由は、販売目的ではないという。ではなぜ?
六花亭は1933年に創業。道産の生乳100%のバターとレーズン、ホワイトチョコクリームを使った「マルセイバターサンド」は、サクサクとした食感とコクのある甘みが特徴で、77年に社名変更記念として、開発・販売されて以来のベストセラーだ。
ほかにも、バター香るマドレーヌ「大平原」、餅が入った最中「ひとつ鍋」など地元で愛される定番商品も多い。道外に店舗がないことから、空港には花柄の紙袋にたくさんのお菓子を詰めた外国人観光客も目立つ。
最近では、カリフォルニア州ロサンゼルスを本拠地とするドジャースの大谷翔平選手が、球場で花柄模様の同社の紙袋を持っていることでも話題になった。
どんなに売れても、道内から出なかった六花亭。同社文化広報部の担当者は、「限りある製造体制、物流の中で、無理をして店を増やしたり、商品を売ったりすることは望んでいない」と言う。
六花亭が考える「地域菓子屋の役割」
道内に66店舗を展開。商品…