2004年に開催された国際アルツハイマー病協会国際会議で思いを語るクリスティーン・ブライデンさん

 「共生社会の実現を推進するための認知症基本法」が今年1月に施行された。前面に掲げるのは、認知症の人の尊厳と希望だ。基本法ができるまでには、本人や家族が声をあげ、根強い偏見を打ち破ってきた長い道のりがあった。共生社会の理念を絵に描いた餅にしないために、政治や行政、そして私たち一人ひとりの姿勢が問われている。9月21日は「認知症の日」。

 65歳以上の高齢者のなかで、認知症の人は約443万人、認知症の前段階とされるMCI(軽度認知障害)の人は約559万人。そんな推計(2022年時点)を厚生労働省の研究班が今年5月に示した。

 合計で1千万人を超え、高齢者の約3.6人に1人だ。認知症は、まさに誰もが当事者になりうるものだ。

「自分のもの忘れが気になりはじめたら…」「家族・身近な人のもの忘れが気になる…」。記事後半では、相談の目安のチェックシートを紹介しています。

施設のベッドに拘束も

 しかし、かつて認知症の人は…

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