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静岡市立静岡病院で感染症対策室長を務める岩井一也医師=東京都内

 「面会禁止で親の死に目に会えなかった」「週1回、15分しか夫に会えない」――。新型コロナが感染症法の5類に移行した後も、面会制限を続けている病院は少なくない。だが、岩井一也さんが感染管理室長を務める静岡市立静岡病院は、コロナ禍でもほとんど面会制限をしなかったという。岩井さんに聞いた。

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 ――静岡病院は第一種感染症指定医療機関ですが、それでもほとんど面会制限をしなかったのですか。

 コロナ禍の初期には面会制限の貼り紙を出したこともあります。それでも、一律禁止にはしませんでした。入院したら最後、お骨になるまで会えないという状況は、なんとかしなければと思っていた。コロナで入院した患者さんでも、容体が悪くなったら、家族の方に来てもらっていました。

 ――緊急事態宣言が出され、日本中がピリピリしていたころでした。

 まあ、いろいろと大変でしたが「最後に会いたい人がいるなら、それは会わせてあげた方がいい」という話が病院スタッフからも出て、「そうだよね」という話になりました。

 ――「いろいろと大変」だったとは。

 私はもともと、感染対策は最小限であるべきだという考えの持ち主です。だから日本中が感染対策に「全振り」になった時も、それはおかしいと思っていました。

 静岡県内の各病院のコロナ患…

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