写真・図版
香港の裁判所前に列をつくる傍聴希望者。周辺では警察官が警戒していた=2024年11月19日、香港、朱延雄撮影
  • 写真・図版

 2020年7月に香港の民主派が実施した立法会(議会)の予備選挙をめぐり、民主派47人が政権転覆を図ったなどとして香港国家安全維持法(国安法)違反の罪に問われた公判で、香港高等法院(高裁)は19日、このうち有罪となった45人に禁錮4年2カ月~同10年の判決を言い渡した。市民の手による自由で民主的な選挙活動を厳しく罰する判断で、国安法で自由を奪う統治手法に国際社会から改めて批判の声が上がりそうだ。

  • 台湾・日本に逃れても見えない明日 香港市民が問う「守るべきもの」

 禁錮10年の判決を受けたのは、予備選の運営で中心的な役割を果たした香港大元副教授の戴耀廷氏(60)。このほか、元立法会議員の梁国雄氏(68)に同6年9カ月、民主活動家の黄之鋒(ジョシュア・ウォン)氏(28)に禁錮4年8カ月、主要政党だった民主党元主席の胡志偉氏(62)に同4年5カ月といった量刑となった。

 事件では47人が国安法違反で起訴された。有罪か無罪かを先に判断した5月の判決では、罪を否認した16人のうち14人が有罪で、2人が無罪となった。

 公判で検察側は、民主派が候補者を絞り込む非公式の予備選を経て立法院で過半数の議席を押さえ、いかなる内容であっても政府予算案を否決し、最終的に行政長官の辞任を迫ろうとしたのは、政府機能を停止させるのが目的だったと主張。国安法に基づく国家政権転覆の罪にあたると主張していた。国安法に基づき香港政府が指名する裁判官3人が担当し、検察側の主張を大筋で認めた。

■判決には批判も…

共有