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相川金銀山の象徴となっている「道遊の割戸」=2024年5月19日、新潟県佐渡市、田島知樹撮影
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 インド・ニューデリーで開かれているユネスコ(国連教育科学文化機関)の世界遺産委員会は27日、「佐渡島(さど)の金山」(新潟県佐渡市)を世界文化遺産に登録することを決めた。日本の世界遺産の総数は、文化遺産21件、自然遺産5件の計26件になる。

 佐渡島の金山は、相川鶴子(つるし)金銀山(相川金銀山と鶴子銀山で構成)と西三川(にしみかわ)砂金山からなる。世界の鉱山で機械化が進む16~19世紀に伝統的な手工業による純度の高い金の生産システムを発展させ、17世紀には世界の主要な金生産地となったとされる。

 事前審査したユネスコの諮問機関「国際記念物遺跡会議(イコモス)」は、4段階評価の上から2番目で、補足説明を求める「情報照会」を勧告。明治以降の史跡が多い地区の除外▽遺産を保護するための緩衝地帯の拡大▽鉱業権者が商業採掘を再開しないという明確な約束、の3点を求めていた。

 さらにイコモスは、金山として発展した江戸時代だけでなく、明治以降も含む「全体の歴史」に配慮することも求めた。戦時中に朝鮮半島出身者が働いており、韓国が「強制労働被害の現場だ」と主張。こうした歴史への言及について日韓両政府は交渉を続けてきた。

 情報照会は、基本的には翌年…

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