公立中学校の部活動の指導を校外に委ねる「地域移行」。多数の楽器や専門性の高い指導者などが活動に欠かせない吹奏楽部は、移行へのハードルが高いとされる。そんな中、休日の活動について移行に踏み切った千葉県柏市と愛知県春日井市の取り組みを追うと、山積する課題も見えてきた。
地域移行は教員の働き方改革や少子化にともなう部活動改革の一環として、国が推進している。部活を学校から切り離し、学校外の地域クラブとして活動させることを目指している。2023年、まずは休日の活動を地域クラブ化するよう促す「改革推進期間」が始まった。
柏市では23年9月にひとまず、休日だけ活動する13種目の運動系の地域クラブが発足。生徒約3千人が1人当たり登録費(2年目からは更新料)5千円、月会費2千円を負担して活動を始めた。
吹奏楽の全国大会で高い実績をあげてきた市立酒井根中学校や市立柏高校を育んだ柏市。休日の活動が活発な中学校も多い吹奏楽部の地域移行は懸案だった。
だが、クラブを運営する「柏…