8日午前6時半時点の山口県山陽小野田市の様子=国土交通省山口河川国道事務所の発表文より

 日本付近に居座っている「この冬一番の寒気」は8日、鉄道や交通に影響を及ぼしている。

 記録的な大雪となっている北海道や本州の日本海側の地域では、さらに積雪が増えるおそれがある。気象庁は交通障害や暴風などに警戒を呼びかけている。

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 山口河川国道事務所によると、山口県山陽小野田市の国道2号で、大雪による車のスタックによる立ち往生が発生。8日午前1時半から、山口市江崎―同県下関市松屋東町で上下線とも通行止めになっている。

 発表によると、山陽小野田市山野井を先頭に下り線で5キロメートルの渋滞が起きている。通行止め解除の見通しは立っていないという。午前6時半時点の山陽小野田市内の映像によると、少なくとも10台以上の車が連なっているのが確認できる。

 東海道新幹線は米原地区(滋賀県)での雪のため、三河安城―新大阪間の上下線で始発から通常より速度を落として運転。山形新幹線は除雪作業が難航し、午前中の運転を見合わせる予定だ。東北新幹線は線路点検のため、仙台―盛岡間で始発から午前7時過ぎまで運転を見合わせた。

 気象庁によると、8日午前6時までの24時間降雪量は、新潟市中央区で56センチ、岐阜県郡上市で47センチ、福井県大野市で44センチなどを観測した。

 気象庁は7日夜、新潟市とその周辺、石川県七尾市を含む能登南部の平地に顕著な大雪に関する情報を発表した。

 新潟市中央区では8日午前2時までの12時間に1997年の統計開始以来、最も多い50センチ、石川県加賀市でも午前1時までの3時間に16センチの大雪を観測し、今後も強い雪が続く見込みであることから、大規模な交通障害の発生するおそれが高まっているとしている。

 総務省消防庁などによると、7日午後2時現在、4日以降の一連の大雪で新潟県十日町市で70代男性が死亡し、北海道や福井県など計6道県で19人が重軽傷を負った。

 強弱を繰り返している「数年に1度の強い寒波」は7日夜から8日にかけて強まり、日本の広い範囲にまとまった雪を降らせた。また、過去に大雪をもたらした、日本海上の「日本海寒帯気団収束帯」(JPCZ)が流れこみ、日本海側ではさらに積雪が増えるおそれがある。10日には冬型の気圧配置は解消する見通し。

 9日午前6時までの24時間では多いところで、関東甲信で80センチ▽東北・北陸・近畿で70センチ▽東海・中国で60センチなどの降雪が予想されている。

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