盛岡市動物公園「ZOOMO(ズーモ)」が制作したゲームで、クマとの共生について考える児童たち
  • 写真・図版

 クマの出没や人身被害が増えるなか、岩手県滝沢市の滝沢第二小学校で20日、クマの生態や被害防止策を学ぶ勉強会が開かれた。5年生の児童約70人が、クマと人間との共存について考えた。

 盛岡広域振興局の主催で、盛岡市動物公園「ZOOMO(ズーモ)」が作ったボードゲームが使われた。まずゲームの開発に関わったズーモの荒井雄大さんが児童にクマのイメージを尋ねると、「怖い」「人を襲う」などとネガティブな意見が出た。荒井さんはツキノワグマの主な食べ物は植物で、クマが人里に出没する理由は人間側にもあることを説明し、「人とクマが幸せに暮らせるまちにしよう」と呼びかけた。

 児童たちは、ゲームを使ったワークショップをして、市街地の建物や畑のバランス、山林の状態を考えながら、「屋外にゴミを捨てない」といった被害防止策を講じて、クマと共存ができるまちについて話し合った。

 同校では5月中旬に付近でクマが目撃され、集団下校がおこなわれるなど、クマの存在が身近だ。野生のクマをみたことがある児童も少なくない。川守田麻友さん(10)は「クマが絶滅してはだめだと学んだ。人間もクマも楽しく暮らせるようなまちにしたい」と語った。(伊藤恵里奈)

共有