トランプ米大統領は、中国からの輸入品に10%の追加関税を課しました。中国も関税引き上げなど報復措置で対抗しました。「貿易戦争」が始まったようにもみえますが国際貿易投資研究所の高橋俊樹研究主幹は「落としどころを探っている」と指摘します。

 ――さっそく米中で関税を介した応酬が始まりました。

 「中国による石炭や液化天然ガス(LNG)などへの関税引き上げは、中国の米国からの輸入依存度が少ないこともあり、あまり効果的とはいえません。中国の対応は比較的限定的なものにとどまっています。先端半導体や医薬品、航空宇宙機器などの戦略品目が制裁対象にならなかったことは注目に値します。つまり、トランプ氏も中国に対しては10%の関税引き上げにとどめているし、中国もエネルギー輸入の規制を盛り込むなど強硬な姿勢を見せつつも、落としどころを探る要素も含まれている、と捉えることも可能です」

 ――トランプ氏は大統領に就…

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