3月に発表された国連の「世界幸福度ランキング」。日本が51位だったそんな指標で、7年連続のトップになったのは北欧フィンランドだ。ただ、1300キロ超にわたって国境を接するロシアとは歴史的に緊張関係を抱え、ウクライナ侵攻後はそれがさらに高まっている。大統領は、国民の「幸福」は国防とつながりがあるのだと言う。どういうことなのか。

 首都ヘルシンキにあるサンタハミナ島。駐留する陸軍部隊が、迫り来る敵を一掃する想定で大規模な軍事演習をしていた。参加した約5千人の兵士のうち、大半は徴兵された若者だ。

 ローガン・ビグドロフさん(22)もその一人。米国出身だが母親がフィンランド人のため、大学を卒業してすぐの2023年7月、兵役に就いた。

 それまでは、ロシアによるウクライナへの侵攻について「戦争は怖い。戦争は悪い」とは思いつつ、どこか遠くに感じていた。しかし他の多くの若者と兵役の訓練を積むなかで、「戦争というものをリアルに感じた」。

軍事演習に参加する徴兵制で兵役に就く若者=2024年5月28日、ヘルシンキ、牛尾梓撮影

 フィンランド人の「国を守る…

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