死体処理のため、クレーンで船に運び入れられたクジラ=2023年1月18日、大阪市此花区、朝日新聞社ヘリから、小川智撮影
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 大阪湾で昨年1月に死んだマッコウクジラの処理費が大阪市の当初の試算から2倍以上に膨らんだ問題で、大阪市は7日、契約過程の妥当性などについて調査結果を公表した。これを受け、市入札等監視委員会(委員長、森本浩久・大阪府警察信用組合理事長)は、問題点を6項目にわたって列挙する意見を発表。業者の言い値に沿うように進められた交渉について「合意できる金額に近づけるための議論に終始していると受け止められても仕方のないものだ」と指摘した。

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 この問題では、クジラの処理後、業者側は費用として8625万円を提示したが、市側は3774万円と試算。価格交渉を経て同年3月末、8019万円で契約した。通常は直接交渉に関わらない立場の市大阪港湾局の経営改革課長(当時)が、試算額を8千万円に引き上げるようメールで局内に求めたり、業者との協議にも同席したりしていたことが明らかになっている。このため、市は、市の入札や契約が適正かをチェックする入札等監視委員会による調査を進めていた。

 この日、市は同委員会に報告した調査内容を公表。それによると、経営改革課長が昨年3月、業者との交渉の場に同席し、「8千万上回っといた方がええんちゃいますかね」などと発言したことを確認。市民の疑惑を招き、契約事務を所管する課長としての言動として、「不適正と言わざるを得ない」と指摘した。

 さらに港湾局の人事・港湾再…

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