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大半の住民がロシア語を話すモルドバのガガウズ自治州では、「モルドバだけのために」とロシア語で書かれた大統領選候補者の巨大看板があった=2024年9月27日、中川仁樹撮影

 欧州連合(EU)加盟をめざす旧ソ連構成国モルドバの警察は3日、同国の親ロシア勢力が今月20日の大統領選とEU加盟をめぐる国民投票に向け、少なくとも13万人を買収したと発表した。資金はロシアから送られたとしており、モルドバのEU加盟阻止が狙いとみている。

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 ロイター通信や地元メディアによると、9月だけでロシアから1500万ドル(約22億円)の工作資金が送られ、親ロシア勢力が支配する同国領内の未承認国家「沿ドニエストル」でロシアの銀行カードなどを使い現金を引き出したという。

 国民投票ではEU加盟への反対票、大統領選でもサンドゥ現大統領の対立候補への投票を増やす目的とみられ、モルドバ警察は「前例のない直接攻撃」と批判。買収された13万人の身元も特定したという。

 サンドゥ政権はウクライナ侵攻を厳しく批判し、ロシアと対立している。モルドバでは国民の過半数がEU加盟に賛成とされる。だが、ロシア語話者を中心に穏健派も含めた親ロシア住民も3割にのぼると言われており、大統領選と国民投票に向けてロシア側が偽情報を拡散しているとの警戒感を強めている。

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