第154回九州地区高校野球大会第4日(九州地区高校野球連盟主催、朝日新聞社など後援)は23日、佐賀市のさがみどりの森球場で1回戦2試合と準々決勝1試合があった。鹿児島実は東明館(佐賀)にサヨナラ勝ち。今春の選抜に出場した熊本国府も延長十一回タイブレークの末に長崎日大にサヨナラ勝ちした。準々決勝では、唐津商(佐賀)が宮崎商の九回の追い上げを振り切って1点差で逃げ切り、4強一番乗りとなった。
(鹿児島実3―2東明館)
鹿児島実のエース井上剣也(3年)は投げ慣れないマウンドに戸惑った。地面が硬い感じがして、投球中にバランスが崩れてしまう。初回に2四球で走者を背負い、先取点を奪われた。
最速151キロを誇る注目の右腕だが、この日は制球に苦しんだ。球速を落として対応しようとしたが、三回にも四球からピンチに。途中で気持ちを切り替えた。「自分の武器のストレートを思い切り投げ、ボールになっても気にしない」と腕を振り抜き、踏ん張った。
試合は六回に西悠太朗(3年)の2点本塁打で逆転。八回に同点とされたが、九回に自らの安打で広げた好機で満留裕星(3年)が適時打を放ち、サヨナラ勝ちを収めた。次の相手は今春の選抜に出た熊本国府。粘り強い打者がそろっていると感じている。「低めに制球できるよう調整したい」と意気込んだ。(太田悠斗)