横浜市の住宅であった強盗殺人事件で、神奈川県警は19日、千葉県印西市木下、自称個人事業主の宝田真月(まづき)容疑者(22)を強盗殺人容疑で逮捕し、20日に横浜地検に送検した。県警によると、容疑を認め、「途中で犯罪に加担することに気付いたが、個人情報を指示役に知られていたので断れなかった」と話しているという。
逮捕・送検容疑は、数人と共謀して15日ごろ、横浜市青葉区の住宅に押し入り、住人の後藤寛治さん(75)に暴行を加えて殺害し、現金約20万円を奪ったというもの。ほかにネックレスなど数点(計30万円相当)がなくなっていたという。
県警によると、宝田容疑者は「税金の滞納が数十万円あり、短期間で稼げるアルバイトを探していた」と供述。SNS上で「ホワイト案件」という投稿に応募し、匿名性の高いアプリで、身分証など個人情報を指示役に教えたという。その後、指示を受けて自身の車で後藤さん宅へ向かったといい「仕返しや家族にも危害が加えられると考えると断れなかった」と話しているという。
実行役は3人で、ほかの2人や指示役とは面識がなかったとも供述。後藤さん宅からは、千葉県市川市の住宅に男らが押し入り住人の女性を連れ去った事件で、監禁容疑で現行犯逮捕された住所・職業不詳の藤井柊(しゅう)容疑者(26)の指紋が検出されており、神奈川、千葉両県警などの合同捜査本部は、横浜の事件にも関与した疑いがあるとみている。
同居していた宝田容疑者の家族の一人によると、同容疑者は塗装の仕事を週6日ほどしていたという。「(逮捕は)まだ信じられない。性格的には優しい子だった」としつつも、「本当にやったのだとすれば(遺族に)申し訳ない気持ちです」と話した。(稲葉有紗、杉江隼)