2014年6月に過労死等防止対策推進法(過労死防止法)が成立して10年がたちました。過労死や過労自殺の内容はどう変化しているのか。防止法は成果を生んだのか。この問題に長く取り組んできた、「過労死弁護団全国連絡会議」代表幹事の川人博弁護士に聞きました。
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――精神障害の労災認定をみると、脳・心臓疾患に比べて女性の割合が高くなっています。
女性がハラスメントや過重労働でうつ病になる事案は、ここ10年間、高い水準で増加傾向にあると思います。若い人だけではありません。女性の職場進出で40代、50代になってもフルタイムで働く人が増えています。管理職や管理職に近い立場で亡くなる事案もあります。
専業主婦がいる家庭で男性が長時間労働になるというのが昔のパターンでした。共働きになり、男性だけが働いていた時と比べて労働時間が低い水準になるのかというと、そうではありません。両方とも過重労働の職場に入ってしまうということだと思います。
エンタメ業界でも表面化
――若者の過労自殺も減りません。
電通事件が衝撃的だったとい…