上灘水産のハモだしラーメン(しょうゆ、並)=2024年5月21日、愛媛県伊予市双海町上灘、中川壮撮影

 丼から磯の香りがする。れんげで透明なスープを口に運ぶと、濃厚なハモの味。だが、全くしつこくない。

 「誰かに教わることなく、僕がゼロから作った完全オリジナル」。店主の福岡博文さん(54)は自負する。ハモでだしをとったラーメンを出す店は、全国でも珍しい。

 鍋に湯を張り、少しの昆布で風味をつけた後、ヒレを切って骨ごとぶつ切りにしたハモを、タマネギとニンジン、少量の鶏肉と一緒に10時間煮込む。

 ハモは臭みを消すため、胃の内容物を排出させ、内臓を除き、皮のぬめりを丁寧に取る。

 福岡さんのスープや麺、具材へのこだわりは後半で紹介します。

 福岡さんが「10人中5人はおいしい」と思える味にたどり着くまで、2018年の開店から4年かかった。

 46歳の時、「海に携わる仕…

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