60年代後半~70年代の昭和レトロ感を意識した=2023年3月、和歌山市、YUKI WADAさん撮影
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 性別にとらわれず、自分らしく着こなせばいい。そんな思いで、男女の枠を超える「ノンバイナリー」なファッションを発信する人がいる。大阪中之島美術館(大阪市北区)で29日、ファッションショーに出演する。

 男性用のワイシャツとネクタイ姿にイヤリングやパンプスを合わせたり、丸刈りで口紅を塗ってロングスカートをはいたり。

 和歌山市に住む福祉職の津村雅稔さん(38)は、「男性用」「女性用」を問わず好きな服を買い、組み合わせて楽しんでいる。

 「百貨店や量販店のレディースフロアに男性が行くのは勇気がいる。男女の服が同じフロアに売っていると買いやすいんだけど」

 戸籍上の性別は男性で、恋愛対象は男性。自分が男性であることに違和感はないが、「男性らしい」服装や言動を求められることに、幼い頃から苦痛を感じた。

 中学・高校は学ランを着て過ごした。和歌山から大阪の大学に進学し、梅田や難波で買い物をするようになると、様々なファッションに目が向くようになった。8歳下の妹が買う少女漫画誌やティーン向けファッション誌を借りて読み、疑問を持った。「なんで女の子用の服は『カワイイ』のに、男の子用は『カッコイイ』じゃなきゃいけないの?」

 初めてスカートをはいたのは…

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