
中国で5日、全国人民代表大会(全人代、国会に相当)が開幕した。李強(リーチアン)首相の政府活動報告は、トランプ米政権による追加関税などを念頭に、困難な状況の中でも強国づくりを成し遂げるとうたいあげたが、国内外の不安は払拭(ふっしょく)できるのか。
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「中国経済という船は必ずや風に乗って、波を破りどこまでも安定した航海ができるであろう」
5日、北京の人民大会堂で開かれた開幕式。李強首相はこの1年の施政方針演説にあたる政府活動報告のなかでそうアピールした。
「波」は、自らを「タリフマン(関税男)」と呼ぶトランプ米大統領率いる米国を連想させる。報告は「直面している困難と試練」として、「一国主義、保護主義の激化」と「内需の不足」を挙げた。これも、米国を念頭にしたとみられる言及だ。
中国経済は今、不動産不況に端を発した個人消費の低迷が続く。そんな中で中国経済を支えてきたのは、電気自動車(EV)などの輸出に代表される外需だった。だが、そこをトランプ関税が直撃する。
家電や自動車の買い替えに補助金 売れ残り住宅の買い取りも
それでも、今年の経済成長率…