日本製鉄による買収への賛意を示すカードを掲げるUSスチール従業員ら=2024年12月12日午後3時49分、米ペンシルベニア州クレアトン、真海喬生撮影

 日本製鉄による米鉄鋼大手USスチールの買収案をめぐり、計画に賛成する人たちの集会が12日、米東部ペンシルベニア州で開かれた。米政府による審査は大詰め。バイデン大統領が買収を阻止するとも報じられるなか、参加者からは破談となった場合の地域への打撃を案じる声が相次いだ。

 集会はUSスチールが本社を置く同州ピッツバーグにほど近いクレアトン市で開かれ、約500人が集まった。ピッツバーグ周辺は製鉄関連の施設が点在する「鉄の街」だ。

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米ペンシルベニア州にあるUSスチールのクレアトン工場=2024年12月12日、真海喬生撮影

 「この買収がなければ、我々が歴史ある製鉄所で働く最後の世代になってしまう」。この地域で3世代にわたり鉄鋼業界で働くライアン・パドロックさんは壇上で訴えた。

 この地域には苦い記憶がある。日本など海外勢との競争に競り負け、USスチールは1970年代以降、工場を相次ぎ閉鎖。80年代前半には一帯で15万人の鉄鋼労働者が職を失い、ラストベルト(さびついた工業地帯)と呼ばれるようになった。

 現存する工場も老朽化が進む…

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