日本銀行の安達誠司審議委員は16日、高松市で講演し、「緩和的な金融環境を維持しつつ、極めて緩慢なペースで政策金利を引き上げていく」と述べた。その後の記者会見では「（利上げを）急ぎすぎてもう1回デフレになってしまうのは最も避けなければならない」と話し、追加利上げに慎重な姿勢を強調した。
日銀は7月に追加利上げした際、理由の一つとして円安による物価の上振れリスクを挙げた。この点を会見で問われると、安達氏は「円安が予想以上に加速することによる物価上昇圧力はかなり削減されている」とし、物価高を抑えるために急激な利上げをする必要はないとの認識を示した。
年内に利上げする可能性については「何月とかを意識しているわけではない」とした上で、「その時に出てくるデータを慎重に解釈し、政策につなげていく」と言及するにとどめた。
日銀は、経済と物価が見通し…
