2016年8月23日、米バーモント州の自宅で取材に応じるポール・ワトソン氏=AP

 デンマーク自治領グリーンランドで今年7月に拘束された反捕鯨団体「シー・シェパード」の創設者ポール・ワトソン氏について、現地の裁判所は2日、勾留を今月23日まで延長する決定を出した。グリーンランドの警察当局が発表した。勾留の延長は3度目。

 同氏は日本が傷害容疑などで国際刑事警察機構(ICPO)を通じて国際手配していたことで、給油のために立ち寄ったグリーンランドで拘束された。日本は同氏の身柄の引き渡しを求めている。

 グリーンランドの地元メディアなどによると、デンマークの司法省が、日本への身柄の引き渡しを認めるべきかの検討を続けており、裁判所は勾留延長が正当と判断した。弁護側は「長期の勾留は容疑に対して不釣り合いだ」などと主張し釈放を求めており、同氏は決定を不服として上訴したという。

 反捕鯨国の多い欧州では、同氏を擁護する声が強い。AFP通信によると、同氏の釈放を求める署名が10万筆以上集まり、デンマーク司法省の判断が注目されている。(ブリュッセル=森岡みづほ)

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