
歯医者の倒産、廃業が急増している。「コンビニより多い」とされ、競争が厳しい中、歯科医や歯科技工士の高齢化で経営をあきらめる医院が少なくないとみられる。厳しい経営環境で、デジタル技術に活路を見いだそうとしている歯科医もいる。
背景に歯科業界の高齢化 「付加価値治療と廃業の二極化」
帝国データバンクによると今年1月から10月、歯科医院の倒産(負債額1千万円以上)、廃業が過去最多の計126件発生。前年同期比1.8倍の記録的なペースだ。歯科医の高齢化を理由にした廃業が目立っており、今年、廃業した歯科医院の経営者の平均年齢は69.3歳だったという。
高齢化が進んでいるのは、歯科医だけではない。厚生労働省によると、「銀歯」などを作る歯科技工士は2022年末時点で全国で約3万3千人で、20年から約5%減った。技工士の54%が50代以上だという。
こうした歯科医業界の高齢化に加え、治療に使う合金などの価格高騰で収益が悪化していることも逆風になっているようだ。帝国データの飯島大介さんは「今後は設備投資などによって付加価値の高い治療を提供できる歯科医と、高齢化などで廃業していく歯科医の二極化が加速するのではないか」とみる。
デジタル技術を活用した歯科治療、虫歯の治療が1日で完了
実際、技術をめぐる競争は激しくなっている。
東京都新宿区の「タカベデン…