外務省が26日に公開した1993年の外交記録からは、ガット(関税貿易一般協定)の多国間交渉コメ開放」妥結も、国際競争力強化につながらず WTOは機能不全(UR)をめぐり、日本政府が大きく揺れていたことがわかります。最大のテーマは米国が強く求めるコメ市場開放にどう対応するかでした。経済外交に詳しい大矢根聡・同志社大学教授(国際関係論)に、当時の日米関係や、公開文書から見える日本の交渉の進め方、コメ市場への影響などについて聞きました。
――米ソ冷戦終結から数年の当時、日米関係は経済的にどんな状況だったのでしょう。
米国は経済力では日本に追い…