「ギャンブルは自分の人生そのものだと思っていました」
千葉県に住む会社員男性(28)は大学時代にギャンブルにのめりこみ、8年間にわたり依存症に苦しんできた。
「一気に転落して、気がついたときには、やめたくてもやめられなくなっていた」
20歳の時、小学校の同級生に、地方競馬に誘われた。友人に言われるがまま300円で買った馬券は、一瞬で3千円になった。「こんなに簡単にお金が手に入るのか」。次第に、1人でも競馬場を訪れるようになった。ファミレスのアルバイトでためていた15万円を一気に賭けて、失った。
「24時間365日」、暇さえあれば
オンライン経由でスポーツの試合に賭ける、スポーツ賭博を知ったのもこのころだ。インターネットで紹介されていた。
男性が主に賭けていたのは、中高時代に部活でプレーしていたテニス。4大大会から名前も知らない大会まで大学の講義中も、アルバイトの休憩時間も「24時間365日、スマホさえあればいつでもできた」。
ギャンブルには、他では代用できない、高揚感があった。賭けていない方に試合が有利に展開すれば、全身に汗がにじむ。勝てば、言いようのない快楽を感じる。
一方で、日常生活のささいなことでは感情が動かないようになり、ギャンブル以外のことに対するやる気を失っていった。
何に賭けて、どのくらい損得が出たのか、エクセルに書き込んで分析を続け、3カ月ほどで100万円がたまったこともあった。
当初はプレーヤーの過去の成績やデータを分析する予想のプロセスを楽しんでいたつもりだったが、気がついたときにはお金を得ることだけを求めるようになっていた。
もう、貯金を失ってもアルバイトで稼ぐという思考にはならなかった。
気づいたら抜け出せず、膨らむ借金
「借りた金をギャンブルで増…