大阪偕星学園高校の「キムチ部」の奮闘をまとめた本がこのほど、出版された。
大阪市生野区にあるコリアタウンの近くに高校があることから、2022年春に創部。翌23年の4月末にあった「漬物グランプリ」の学生の部でグランプリを受賞し、出品した「×(かける)キムチ」は商品化される。その後、テレビ出演も。
それらが、学校運営の難しさ、不登校、LGBTQなどのテーマも交え、ノンフィクションライターの手で250ページ超にわたって描かれている。タイトルは「大阪偕星学園キムチ部 素人高校生が漬物で全国制覇した成長の記録」(KADOKAWA、税込み1870円)。
発売は4月26日。キムチ部をつくろうと言い出した学園の専務理事、太田尚樹さんは「さまざまな方との出会いがあり、幸運があった。本になるなんて思ってもいなかった」と語る。
×キムチは、生野区に本店があり、部員たちにアドバイスをしてきた「高麗食品」や、高麗食品のオンラインショップ、イトーヨーカドーの関西の店舗などで売られている。
グランプリを取ったときの初代部長と副部長は、大阪の私大に進んだ。代替わりした部は、新たな目標に向かって進んでいる。
それは、キムチづくりの基本を見直すこと。味の探求はもちろん、失敗作をつくらない。衛生面も徹底する。そして、年末にコリアタウンの一角を借りて、直接販売することだ。(編集委員・中島隆)